お歳暮のこと

お歳暮は、年の暮れにお世話になった方々に感謝の気持ちを込めて贈り物をする行事です。
日本ではお中元とともに年に2回贈り物をする習慣があるのですが、これは一年両分制度と呼ばれる考え方に基づいたものです。
一年両分制度では1年間を前半と後半の二つに分けており、特に年の瀬の贈り物は1年間の感謝とともに相手の健康を気遣い、食品を贈る事が多いです。

このお歳暮については起源が諸説あり、正月の祝い事を準備するために年末にした贈り物、嫁の実家から婚家にした贈り物、逆に嫁が実家で奉る神様に贈り物をするなど、全国的に様々な話が散見します。
ただ行事として確立したのはおよそ江戸時代の頃と考えられており、年中行事や四季の事物などについてまとめられた日本歳時記によれば、贈物して歳暮を賀すなどの記述があり、当時にはすでに感謝の気持ちを込めて贈る習慣が存在したようです。

現代のお歳暮の場合は贈答時期として早ければ11月下旬頃に、また一般的には12月上旬から贈る事になり、遅くても12月20日までの期間内にお届けします。
この時期を逃した場合には年内に贈るのを取り止めて、歳を越してお正月の松の内である1月6日までに御年賀や寒中見舞いとして贈る場合もあります。

続いて贈り物をする際のマナーについてですが、一般的に先方もしくはこちら側で喪中であった場合には贈る事を躊躇う場合もあるのですが、お歳暮に関しては喪中に関係なく贈るのが一般的です。
これはお祝いに関わる贈り物ではなく、あくまで日頃の感謝を表わすための贈り物であるためで、失礼に当たることはありません。
ただこの点についてどうしても気になる場合は、先方に話をして了解を得た上で年明けに寒中見舞いとして贈る事も一つの手です。
また贈り方としてはお中元と同様に一般贈答用の熨斗紙を使用します。
熨斗紙には御中元の表書きと贈り主の氏名を入れて、贈り物に挨拶状を添えるか、届く時期を見計らい別途で葉書を贈るのが一般的な礼儀です。

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